ELANのフレームワーク

ご存じの通り日本では、黒いモデルガンは樹脂製にしなくてはなりません。当初ABS樹脂で作られていましたが実銃をイメージするにはあまりに軽かったため、ナイロンに亜鉛合金を混ぜたヘビーウェイト樹脂製のモデルガンが出現しました。しかし、ヘビーウェイト樹脂の比重は2.8で重くなったと言え物足りなさは残ります。また成型時のヒケが激しく満足いく物ではありませんでした。

タングステン高比重樹脂のペレット

そこでELANでは、鉄と同比重の”タングステンを混ぜた”樹脂を開発しました。さらにCNCの後加工をすることで表面のヒケを無くし、良好な作動のためにレールも同加工を採用しています。最終的には、高い精度を求め全てを切削加工する事になり今に至ります。素材を一回り大きな寸法で射出成型したところから削り出す製法は、正確な寸法でスムーズに動きガタもありません。また樹脂フレームだけで良好に動作させられるためにサブフレームを使わずリアリティが向上しています。
イタリアのブレシアに行った時にコルトシングルアクションのレプリカで有名なウベルティの工場を見学したのですが、キャスティングからCNC加工を行っており、ELANと同じ作り方をしていました。

表面加工の拘り

樹脂にタングステンを混合したことにより鉄と同じ比重を実現したのですが、タングステンが大変硬い金属のためにCNC加工の刃物が30個ほどでダメになってしまいます。そこでダイヤモンドの刃先を特注し切削しています。
機械加工の後、手仕上げで180番〜3000番まで顔料を塗布しながら染めて行きます。
「ELANは塗装だ」と言う人がいますが、どんなに薄く塗っても塗装では厚みが出てしまい金属感は出ません。
年式によりますがスライドの上側は、左右にヘアラインを入れ、両サイドは前後に入れています。部位により仕上げの番手を変えて立体感を出します。この仕上げに多くの人が魅了されてきました。

実銃の購入

2004年に最初に発売したS70は六人部さんの設計です。この銃をアメリカに持って行き比較したところまるで形状が違いました。その当時は実銃写真を拡大、縮小コピーをして図面を引くのが一般的でした。
そこで初めてリノのガンショーでGC/NMを購入しました。創作力の無い私は現物がないと作れないということを知り、現在は60挺以上の実銃を所持して居ます。